追加工とは、部品や製品に対して形状を変える加工を施すことです。金属や樹脂などさまざまな素材に実施でき、低コスト・短納期で処理できるのがメリットです。しかし、追加工を行う際には、加工前の精度などにも注意を払う必要があります。

この記事では、追加工とはなにか、読み方にも触れつつ、対応可能な素材や内容、メリットや注意点などについて、一般的な事例と弊社の例を交えながら解説します。

追加工とは?二次加工との違いは?

追加工とは、加工済みの部品や製品に対し、さらに形状を変える加工を施すことです。追加工は形状を変更するという点で、二次加工とは異なります。二次加工は、塗装やメッキなど形状を変えない加工のことをさします。

ただし、追加工と二次加工を区別せず、同じ意味の言葉として使われているケースもあるようです。「追加工」と「二次加工」がそれぞれどのような処理をさすのかは、業者によって異なる可能性があります。語句にとらわれず、どのような処理を追加で行いたいのかを伝えるほうが、希望する加工内容をより正確に共有できるでしょう。

形状を増す(増肉)追加工

追加工とは、製品の不要な部分を削ることだけではありません。 別パーツを作成し、もとの製品に貼り合わせることで、肉を増す方向に追加工をすることもあります。 貼り合わせ面に工夫をして、強度をもたせて張り合わせることも可能です。

追加工の読み方は?

追加工の読み方は「ついかこう」です。「おいかこう」とは読みません。

追加工が可能な素材

金属や樹脂など、さまざまな素材に対して追加工が可能です。弊社では以下のような素材への追加工に対応しています。

追加工が難しい素材

追加工が難しい素材としては、熱処理済鋼などの硬すぎるものや、ゴムのように柔らかすぎるものが挙げられます。弊社においても、ガラスや木材といった素材への追加工は、詳細を確認させていただいたうえで対応可能かどうかを判断させていただいております。

硬すぎる素材の追加工が難しい理由

硬すぎるものは刃物が負けてしまうおそれがあるためです。硬度が高いものは、元の材質よりも硬い材質の刃物で切削しなければなりません。 業者によっては対応できない場合もあります。また、対応可能であっても、高硬度の材質を削ることで刃物の寿命が短くなるおそれもあるため、業者との相談が不可欠です。

柔らかすぎる素材の追加工が難しい理由

柔らかすぎるものは、刃物や治具に固定している製品が加工途中にずれてしまいやすいことから追加工の難易度が高まります。追加工を施すことはできても、精度が低くなる可能性は否めません。

追加工される部品・製品

一般的には、ハウジング、ボックスなどの市販されている部品に追加工を施すことが多いようです。しかし、追加工できるものは市販されている部品だけではありません。 たとえば弊社では、試作品への追加工も多く承っており、切削品や成形品への加工も行っています。試作品への追加工では、より手軽に形状を変えて再検証を行うことができます。

一般的な市販部品への追加工

一般的には次のような部品がよく追加工されています。

  • ハウジング
  • ボックス
  • シャフト
  • プーリー
  • スプロケット

一般に流通しているメーカー部品は、スペックをカタログで調べられるうえ、大量の調達が可能であることからも、追加工に向いているといわれています。

切削品への追加工

「試作品の形状を変更して再検証したい」というご要望への対応で多いのが切削品への追加工です。試作品を作る場合は、金型を使用するよりも樹脂ブロックなどを削ることが多くあります。できあがった試作品を再度削ることにより「ほしい形状」へと変更します。

成形品への追加工

成形品への追加工は、試作品だけでなく量産品に対して行うこともあります。

  • 金型で作った成形品の形状を変えて再検証したい
  • すでに工場のラインで流れているものに追加工したい
  • 別のパーツを作って貼り合わせたい

などのご要望に対応できます。金型を新しく作り直すよりも短納期で対応できるため、試作品の再検証がスピーディーに実施できたり、工場のラインを止めることなく希望の形状へと変更できたりする利点があります。

追加工の例と内容

追加工では、目的に合わせた内容の加工が施されます。一般的によく実施される追加工には、軸穴加工やねじ切り加工などがありますが、対応可能な追加工の内容は業者によってさまざまです。

なお、弊社では追加工の内容を細分化していません。ご要望に対して必要な加工を臨機応変に提供しています。そこで、一般的な追加工の例や内容とあわせて、弊社が実施した追加工の例や内容も紹介します。

軸穴加工

プーリー、スプロケット、ギヤといった回転軸部分の穴を開ける加工を実施します。

ねじ切り加工

ねじ切り加工とは、開けた穴の内側にねじ山をつくる加工のことです。大きく分けると、おねじを作る作業とめねじを作る作業があります。 弊社ではめねじやおねじを切るタップ・ダイスという工具を使った加工や、ねじ切り用の刃物を使った旋盤による加工をおこなっています。

嵌合不良改善のための加工

「ぴったり噛み合うはずのパーツ同士が噛み合わない」という嵌合不良を追加工によって改善します。干渉している部分を削って除去するなど、状況に応じて必要な加工を加えます。

3Dデータ差分の加工

3Dデータに基づいた追加工です。元の3Dデータと設計変更後の3Dデータの差分を3Dで出したうえで、マシニングセンタで加工します。

金属3Dプリンターで作った製品への追加工

追加工によって金属3Dプリンターで作成した製品の精度を出すことも可能です。ただし、金属3Dプリンターの歴史はまだ浅く、加工性については不明な部分も少なくありません。そのため、比較的難易度が高い追加工といえますが、テストを行いつつ慎重に作業を進め、製品の精度を高めます。

三次元測定機を活用した追加工

製品の形状や寸法を、三次元測定機で確認してから追加工を実施します。三次元測定機を使うことで、X軸、Y軸、Z軸の座標情報をもとに、現物の形状や寸法を正しく把握することが可能です。

成形品を図面だけを頼りに追加工を行う場合、製品が図面どおりの形状・寸法であるということを前提に追加工を施しますが、実際は製品が図面どおりの形状・寸法ではない場合もあります。その場合、追加工を行っても高い精度は得られません。

三次元測定機を使用することで追加工前の形状や寸法を正確にとらえ、追加工後の精度を高められます。

透明品への追加工

透明な製品への追加工も可能です。しかし通常は、透明なものを刃物で削ると小さな亀裂で製品が白く曇ってしまいます。

弊社では透明品の試作品製作に多数の実績があり、透明さを維持しつつ加工ができる刃物や、透明に修復する技術を用いることで、透明な製品への追加工もきれいに実施することが可能です。

追加工のメリット

追加工のメリットは、欲しい形状の製品が低コスト・短納期で確保できる点にあります。とくに試作品を微調整して再検証したいという場合、金型をあらためて作成するのは費用や期間の面でも現実的ではないでしょう。

追加工であれば新規で金型をつくるよりも安く・早く、希望の形状へ加工できる可能性があります。本章では、追加工における費用と納期のメリットについて紹介します。

費用が安い

新たに材料や金型を用意するよりも費用が抑えられるメリットがあります。追加工であれば、追加の材料費が抑えられ、加工の工数も新規で製作するよりは少なく済みます。

また、一般に流通しているメーカーの部品へ追加工を施す場合であれば、欲しい形状のものを安く手に入れることが可能です。

納期が短い

追加工には、新しく作り直すよりも短納期で済むメリットもあります。たとえば、穴をあける加工を1~2個だけしてほしいというご依頼であれば、2~3日程度で対応が可能です。一方、金型から作り直すとなると数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。

追加工したい製品の素材や加工内容、個数などによって納期は変動しますが、多くの場合で金型から作り直すよりも短納期での納品が期待できます。「新たに金型を修正して作り直すとなると間に合わないかもしれない」といったときでも、追加工であれば短い期間で対応できる可能性があります。

追加工の注意点

製品の形状を少しだけ変更するときに、必ずしも追加工という方法が適しているとはかぎりません。追加工を検討するときに注意点したい点を紹介します。

費用が高くなるケースもある

追加工であれば必ずコストが抑えられるというわけではない点に注意しましょう。追加工がしづらい材質や形のもの、数が多いものの場合、追加工のほうが高くなることもあります。

寸法精度が加工前の製品の精度に影響される

追加工後の寸法精度も高いものにするためには、元の製品の寸法精度も高いものでなければなりません。

もともと寸法精度がよくない製品に追加工を行うと、寸法の基準になる箇所にばらつきが出たり、治具に固定する際にガタつきが出たりする場合があります。その結果、追加工後の寸法精度が低くなるおそれがあります。

再度表面処理が必要

メッキなどで表面処理された製品に追加工を実施すると、塗装が剥がれる点に注意が必要です。追加工したあとに表面処理をしないままでは、表面処理の効果を得られなくなります。追加工後に再度メッキなどでの処理が必要になることも考慮しておきましょう。弊社では追加工後の塗装まで対応可能です。

追加工のよくある質問

追加工のご依頼を検討されているお客様のよくある質問を以下にまとめました。「どこに、どのように依頼すればいいかわからない」「費用や納期はどのくらいかかるのか」など追加工に関する疑問があるときにお役立てください。

追加工はどこに依頼すべき?

一般的な追加工であれば、試作業者や加工業者が依頼を受けてくれることが多いでしょう。

ただし、追加工が可能な会社でも、それぞれ対応できる素材や内容に違いがあります。どのような素材や内容でも受け付けているというわけではないため、まずは問い合わせて、希望する追加工が可能か確認するのがベターです。

追加工に図面は必要?

業者にもよりますが、図面は必ずしも必要ありません。追加工を依頼するときには、どのような加工を、どの部分に施したいのかを正確に伝えることが重要です。

加工内容を正確に伝える手段の一つとして図面は有効ですが、正しく伝わるのであれば手書きで簡単に描いたものや、口頭での説明であっても、追加工の依頼が可能なこともあります。

追加工の相場はいくら?

業者や追加工の内容によって異なります。弊社では簡単な穴あけであれば、1箇所1000円程度からご依頼を受けることも可能です。

まとめ

追加工は、以下のように形状を少しだけ変えたいときに役立つ処理です。

  • 寸法を微調整したい
  • 穴の数を増やしたい
  • 別のパーツを追加したい

新規で製作するよりも、低コスト・短納期で済むことが多いのがメリットといえます。

弊社では試作品を中心に、さまざまな製品への追加工を行っています。加工内容についてもご要望に合わせて柔軟な対応が可能です。「この素材への追加工は難しいかもしれない」と思うものや、図面がないものでもかまいません。

「この部分をこうしたい」という想いを 下記 お問い合わせ より ぜひお気軽にお聞かせください。

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